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「第71回”社会を明るくする運動”作文コンテスト賞状授与式」を行いました

ページ番号 1019812 更新日  令和4年3月16日

記念写真
左から順に、富田市長、小瀬ますみ校長(市立第五小学校)、関あゆめさん(受賞者)、
麻生浩一教諭(市立第五小学校)、篠宮正和分区長(北多摩北地区保護司会東久留米分区)

第71回”社会を明るくする運動”作文コンテストにおいて、市立第五小学校6年生の関あゆめさんの作品が東京都推進委員会優秀作品に選出され、東京都公立小学校長会会長賞を受賞しました。

これに伴い、3月11日に市役所で「第71回”社会を明るくする運動”作文コンテスト賞状授与式」を行い、社会を明るくする運動東久留米市推進委員会委員長である富田市長から賞状を授与され、北多摩北地区保護司会東久留米分区の篠宮正和分区長から記念品を贈呈されました。

このたびの受賞は、関あゆめさんが同作文コンテストにおいて、犯罪や非行のない明るい社会を築いていく重要性をよく理解し優秀な成績を収めたことにより表彰されたものです。受賞おめでとうございます。

東京都公立小学校長会会長賞受賞作品

ひとにぎりのおすそ分けで

東久留米市立第五小学校6年 関あゆめ

私の一日は、ランドセルをコトコトいわせながら走った先の階段から始まる。そこで、先に待っている友達と、「おはよう。」を言い合う。月曜日なら、土日の出来事を話しながら、緑道を通って学校へ行く。何も特別なことはない。そんな緑道は、春には桜、夏には緑、秋にはイチョウ、冬には真っ赤な木の実がなる、通いなれた通学路だ。しかし、最近この美しい緑道で小さくなっていっているのは、私のランドセルだけではないと感じるようになってきた。

緑道の道幅はかなりせまく、ついうっかり並んで歩こうものなら、「すみません。」と、後ろから来た自転車の人に注意されてしまう。そんなとき、私はとっさに「ごめんなさい。」と言いながらはじによる。すると、逆に「いえいえ、ありがとう。」。そんなことを言われて、最後はお互い「ニッ」と笑ってそれぞれの方向へ進み出す。これは、通学路として緑道を使っている私たちの「緑道あるある」だ。ただ、自転車の方のじゃまになって注意されるのは、いいことではない。でも、この「ニッ」で仲良くなったおばあちゃんがいる。その人のことを、私はひそかに、緑道のおばあちゃんと呼んでいた。何か特別にお話しをするわけではないが、私は緑道のおばあちゃんとすれ違うのを、とても楽しみにしていた。おばあちゃんと「ニッ」と笑うと、不思議とどんなにゆううつな気分でも、一日がんばれそうな気がしてくるからだ。

しかし、去年の春ごろから、もう一年半もの間、緑道のおばあちゃんの顔を見ていない。かわりに「チリンチリンのおばあさん」とすれ違うようになった。その人は、緑道のおばあちゃんのように、自転車にのってやってくる。でも、私とすれ違うときに聞こえてくるのは、「おはよう。」でもなければ、「少し通らせて。」でもなく、「チリンチリン」という自転車のベルの音なのだ。だから、ほとんど毎日すれ違っていても、「ニッ」のやりとりもない。そして、チリンチリンのおばあさんは、いつもしかめっ面をしている。私は、我れ先に道を通ろうとするようなベルの音に、「なによ。チリンチリン。」と心で思ってしまう。でも、そんな自分にも腹が立っていた。モヤモヤしながら学校へ行くことも、多くなっていた。

そんなある日。校門前で「おはようございます。」と校長先生の声をきいたそのしゅん間、「はっ。」とした。その声には、放送朝会できく校長先生の声とは違った温かいものがまんべんなくちりばめられていた。私も、校長先生の目を見て、「おはようございます。」とスッキリとした心で言えた。

そして、気づいたことがある。それは、人の言葉や瞳には、機械からは感じることのできないぬくもりがある、ということだ。そのぬくもりは、心に本来あるべきすみきった色を、取りもどさせてくれる。私の心は、緑道のおばあちゃんとの目と目のあいさつで、明るさ、という色の美しさを増した。また、校長先生の、まっすぐなひとみと言葉で元気づけられ、前向きさ、という色を取りもどすことができたのだ。現在、コロナウイルス対策で機械や物を介した交流が中心となっている。が、人の温かさに長らくふれていないと、そのぬくもりを忘れ、心がにごっていってしまう気がするのだ。そんなときこそ近くにいる人同士のたわいのない言葉のキャッチボール、あいさつやお話しで、互いを思いやっていくことが、大切なのだと思う。

確かに、私も、チリンチリンのおばあさんが、いつもしかめっ面をしている理由は分からない。落ち込んでいる友達や、イライラしている家族がいても、その理由は、すぐには分からない。言葉も、上手く伝わらないこともあるし、人を救うことができるような完ぺきな道具には、ほとんどならない。けれど、私たちは、「あっ、少し困っているのかな。」くらいはすぐに分かるし、心の底から湧き上がる温かいものは、瞳で伝えることができる。言葉も、だれかの背中にそっと手をそえてあげることなら、きっとできるのではないか。とてもささいなことである。でも、それができれば、みながいつでもだれかのことを思うこと、また、自分の大切さも忘れずに生きていけると思う。これが、人間本来の「心」だと思う。その心で犯罪は、きっと起こせない。

そんな明るい社会のうちの一人として、私も、ひとにぎりの優しい言葉と、ひとにぎりの温かさを、伝えられる人になりたい。

そして、夏休みが明けたら。まず、あのおばあさんに、とびきりのひとにぎりを、おすそ分けをしたい。「おはようございます。」と。これからは、おすそ分けの輪が大きく、広がっていきますように。

問い合わせ

福祉総務課(電話042-470-7741)

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