「第74回”社会を明るくする運動”東京都推進委員会作文コンテスト賞状授与式」を行いました
ページ番号 1026060 更新日 令和7年3月13日
左から順に、貫井さん(北多摩北地区保護司会東久留米分区元保護司)、梶原校長(市立大門中学校)、鈴木美波さん(受賞者)、齊藤教諭(市立大門中学校)、富田市長
第74回”社会を明るくする運動”東京都推進委員会作文コンテストにおいて、市立大門中学校2年生の鈴木美波さんの作品が佳作を受賞しました。
これに伴い、2月19日に市役所で「第74回”社会を明るくする運動”東京都推進委員会作文コンテスト賞状授与式」を行い、社会を明るくする運動東久留米市推進委員会委員長である富田市長から賞状が授与されました。
このたびの受賞は、鈴木美波さんが同作文コンテストにおいて、犯罪や非行のない明るい社会を築いていく重要性をよく理解し優秀な成績を収めたことにより表彰されたものです。受賞おめでとうございます。
佳作受賞作品
社会を明るくするために ~私の中の差別・偏見~
東久留米市立大門中学校2年 鈴木美波
「私、保護司やろうかな。この家で。」
母がそう言ったとき、私は賛成できませんでした。知らない人に家を知られる不安と、犯罪を犯してしまった人に対する漠然とした「怖い」という気持ちがあったからだと思います。
私の近所のおじさんは、去年まで保護司をしていました。かっこいいおじさんで、会えばあいさつしてくれるし、夕方になると素振りの練習をしていて野球が好きなのかな、と思っていました。私が小さいときからお世話になっていて、今回のインタビューも快く引き受けてくれました。
保護司とは、犯罪を犯した人の更生、立ち直りを地域で支えるボランティアで、非常勤の国家公務員のことです。月に一、二回対象者の方と話したり、家族や働く場所など、生活環境を調整したりします。その他にも、地域住民や学校等で啓発活動をしたり、更生保護に対する地域の協力者の確保もするそうです。保護司をしている方の多くは、自宅に対象者を招いて話をします。おじさんも、毎月誰かを家に呼んで話をしていて、十五年以上も保護司の活動を続けていたそうです。すぐ近くに住んでいるのに、全然知りませんでした。今まで気付かなかっただけですぐ近くの同じ日常の中に、みんないたのか、と思いました。
はじめの質問で、私は犯罪を犯した人のことを怖いと感じてしまうことを正直に伝え、「怖い」って感じたことはありませんか、と訊きました。どちらかと言うと、保護司の家族の人がね、「怖い」って言うかな、と教えてくれました。まさに私のことじゃん。おじさんによると、対象者の中には、怖いと感じる人もいれば、そう感じない人もいるそうです。覚醒剤に手を出してしまった人の中には、刑期を終えて社会に出たあともフラッシュバックで自分のことがコントロールできなくなることもあるので、特に保護司の家族が怖がることがあるそうです。罪を償った後も長く苦しむ対象者を見守るのが保護司の仕事なのだと感じました。また、道を外れる前の対象者の環境はそもそも困難が多く、支援が必要だと感じるそうです。私の中にあった、更生しようとする人に対する漠然とした「怖い」という気持ちが、少しずつ小さくしぼんでいくのを感じました。知らない、わからないことに対する不安がイメージとなって「怖い」を感じていたのかもしれません。おじさんは自分のことをあまり話してくれない対象者とははじめにキャッチボールをして、話してくれるようになるのを待つそうです。おじさんが時々、一人で素振りしている姿を思い出し、誰かとキャッチボールしている姿も重なって見えました。誰かがゆっくり変わるのを待つことは私にもできるかもしれません。
おじさんに保護司をしていて嬉しかったことはありますかと訊くと、「何もなく保護観察の期間を終えること。ほとんどの人はそうだよ。」と笑顔で答えてくれました。また、私達にできることを訊くと、「出所した人達は定められた刑期を終え、立ち直ろうとしている人々なんだ。その人達の陰口を言ったり、噂をしたり、話題に出したりしないであげてほしい。大きな心で許してあげてほしい。」と話していました。それなら、今の私の生活でも誰かの陰口を言わない、噂話をしないならできるな、今も気を付けているなと思いました。
今回、保護司をしていた方にお話を聞いて、気付いたことがあります。まず、更生しようとする人に対する私の怖いという気持ちは偏見で、「知らない人」と「過去の犯罪」が混ざって「怖い」イメージを持っていたのだと思います。怖いから勝手に自分と違う世界の人のような気がしていましたが、同じ町に住むご近所さんで、私達と変わらないのだと思います。今回、私の中の無意識の偏見、差別に気がついたことが、社会を明るくすることに少しでもつながっていくといいな、また、今回の話をずっと忘れずに生きていきたいです。そして、社会になかなかなじめない人々におじさんのような保護司の方の支援が必要なのだと思います。
いつか母が「保護司をやりたい。」と言い出したら、今度は応援したいです。
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