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東久留米市幼児教育対策協議会答申書

ページ番号 1003485 更新日  平成27年3月24日

答申書

東久留米市教育委員会
教育長 千葉 政美 殿

平成14年3月29日
東久留米市幼児教育対策協議会
会長 村野 成美

1 東久留米市の幼児教育を取り巻く現状
(1)幼稚園児数の動向
本市は、昭和30年代から40年代にかけて大規模な集合住宅が次々と建設され、日本でも有数の人口急増地域であった。このような背景の中で私立幼稚園が次々と開園し、昭和45年には11園が設置され、東久留米市の幼児教育を担ってきた。また、公立幼稚園にあっては、私立幼稚園の補完的な施設として昭和46年から順次開園し、昭和55年までに4園が設置された。
しかし、少子化の影響から園児数の減少に伴い私立幼稚園では4園が廃園され、昭和13年度現在7園となっている。公立幼稚園にあっても昭和12年度末にいずみ幼稚園が廃園され、現在3園となっている。
公私立幼稚園に通園する園児数は、平成元年度で2,272人であったが、平成13年度では22%減の1,772人まで減少している。また、定員2,610人に対する充足率は67.9%である。
本市における幼児人口(「3~5歳」をいう。)は、昭和52年の7,444人をピークに、平成13年は3,067人に減少した。
今後の幼児人口は少子化の傾向がさらに継続されるものと思われることから、園児数も横ばい状態が続くものと予測され将来とも増加は望めない。

(2)公立幼稚園の保育料、入園料の状況
公立幼稚園の保育料、入園料の徴収額は、条例で定められており、議会の議決が必要である。現行の入園料は4,000円で昭和60年度以降改定されずに17年間据え置かれ、保育料は平成3年に月額8,000円から10,000円に改定されたが、激変緩和のため平成4年度は9,000円にする経過措置が取られ、平成5年度より10,000円が適用され現在に至っている。入園初年度の年間納付金(4歳児)は、124,000円となっている。

(3)私立幼稚園の保育料、入園料等の状況
私立幼稚園は保護者の負担と東京都等からの補助金により経営がなされている。
保護者の負担としては入園料、保育料が主たるものである、施設費の名目の負担もある。東京都の資料によると平成14年度では入園料と施設費で平均109,078円、毎月の保育料とその他で25,643円である。入園初年度の年間の納付金(4歳児)は、416,795円となっている。東京都等からの補助金は、厳しい財政状況により増額は望めず、一方で幼稚園の運営は園児数の減少や施設維持管理費、人件費増等により経営は厳しく,経営基盤を保護者の負担による私立幼稚園は毎年のように保育料等の改定をしているのが実情である。

2 公立幼稚園の保育料、入園料の改定について
幼稚園教育がほぼ義務教育化している社会状況の中、公・私立にかかわらず幼児教育に対する保護者の負担は公平が望ましい。公立幼稚園は保護者の保育料等と一般財源(税)で運営されているが、幼稚園運営費に占める保護者負担の比率は年々低下し、本市の財政負担が大きくなっている。数年続く景気低迷の影響を受け市財政は、税の減収のため財政力は低下している。このような状況下にあって、行政サービスの受益と負担の関係を明確にする必要がある。
1・(2)(3)で述べたように公私立幼稚園保護者の負担に格差がある。本協議会は、社会経済状況が厳しく雇用情勢の不安定な時期ではあるが、本市財政の健全化と、公私立幼稚園保護者負担の格差の是正を図るためにも保育料、入園料の改定を行うことが望ましいとの結論を得た。

(1)公立幼稚園の入園料、保育料
市財政状況、私立幼稚園の保護者負担及び他市の状況等を検討した結果、保護者負担の比率に注視し、幼稚園運営経費総額の25%程度とする結論を得た。

  1. 入園料について
    入園料は幼稚園という施設を利用し得る地位を取得し、入園に伴う必要な手続き、準備のための諸経費、人件費、印刷費、通信費等に要する費用としての性格がある。
    現行の入園料は、昭和60年度以降改定されず大幅な改定が必要であるが、早急な是正は保護者の負担が過重となるので、次のとおりとする。
    4,000円を10,000円に改定する。
  2. 保育料について
    幼稚園運営費に占める保護者負担の比率25%程度を確保するよう
    10,000円を13,000円に改定する。
  3. 市に対する要望について
    ア 保育料については、改定に伴う保護者負担の激変緩和のために段階的に施行すること
    イ 今後についても保護者負担の比率の維持確保に努め、負担比率が低下する場合には速やかに見直しをして、急激で大幅な改定にならないよう努められたい。

3 私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業の見直しについて
私立幼稚園及び東京都知事が認定する幼稚園類似の幼児施設に在園する満3歳児~5歳児の保護者に対して、保護者負担軽減事業(東京都と東久留米市の補助事業)として補助金を次のとおり交付している。

所得の基準 東京都補助金 市補助金 合計
生活保護世帯及び市民税所得割非課税世帯 月額6,200円 月額3,500円 月額9,700円
市民税所得割140,000円以内世帯 月額4,500円 月額3,500円 月額8,000円
市民税所得割140,001円以上世帯 月額3,500円 月額3,500円

(1)所得制限について
私立幼稚園等保護者負担軽減事業は、園児急増期の昭和47年に4・5歳児を対象に交付が始まり、昭和56年度に3歳児にも拡大されている。
東京都は平成8年度から一律補助を改め所得制限を導入する一方、生活保護世帯及び市民税所得割非課税世帯の補助額を増額した。東久留米市は、東京都の交付対象者外である市民税基準超過世帯を含めて一律に全世帯の保護者に3,500円交付している。
保護者負担軽減事業は各市の財政状況等により高低があり東久留米市は上位にある。
東京都のように所得制限を導入している自治体は区部で4区、市部で2市という状況である。本市でも今後、社会情勢、市の財政状況、東京都及び他市の動向等を調査・研究をされ適切なる判断をされたい。

(2)補助対象施設の拡大について
東久留米市が補助対象施設としているのは、認可私立幼稚園と東京都知事が認定する幼稚園類似の幼児施設であり、未認可幼児施設は補助対象施設としていない。三多摩で保護者負担軽減事業補助金を交付していない市は8市あり、その内公立幼稚園を設置している市が3市ある。
現在、幼児教育施設は少子化現象により園児数は公・私立幼稚園共に定員に満たない状況にあり、保護者による公・私立の選択幅が広がるなか、東京都認定の類似施設まである。このような状況にあっても、補助対象施設を拡大する必要性があるかまた、保護者の自主運営に疑問を呈する意見等があったが、市議会における請願『幼稚園類似施設に通う園児の保護者への補助金支給に関する請願』の採択の重みを考慮し、財政的に厳しい時期でもあるが、今後、未認可施設の運営形態、補助制度等を十分に調査・研究をされ適切な判断をされるよう望みたい。

東久留米市幼児教育対策協議会の審議経過

第1回(平成13年10月29日午前10時~)

  • 委員の委嘱
  • 会長、副会長の選出
  • 諮問
  • 今後の協議会の進め方について
  • 資料説明

第2回(平成13年11月22日午前10時~)

  • 資料説明
  • 幼稚園保育料等市民負担のあり方について
    • 公立幼稚園入園料の見直しについて
    • 公立幼稚園保育料の見直しについて

第3回(平成13年12月19日午前9時30分~)

  • 資料説明
  • 幼稚園保育料等市民負担のあり方について
    • 公立幼稚園入園料の見直しについて
    • 公立幼稚園保育料の見直しについて

第4回(平成14年1月31日午前10時~)

  • 資料説明
  • 「幼稚園保育料等市民負担のあり方について」の答申骨子の作成
  • 私立幼稚園等園児保護者負担軽減事業の見直しについて

第5回(平成14年2月25日午前10時~)

  • 資料説明
  • 「幼稚園保育料等市民負担のあり方について」の答申書(案)作成
  • 私立幼稚園等保護者負担軽減事業の見直しについて

第6回(平成14年3月29日午前10時~)

  • 答申書(案)の作成
  • 答申書の提出

東久留米市幼児教育対策協議会委員名簿

幼稚園の代表者

西川 徹夫(落合幼稚園副園長)
小金井 充(前沢幼稚園長)
阿久津 州美男(上の原幼稚園長)

幼稚園児の父母

岡山 昌子(私立幼稚園)
佐藤 玲子(私立幼稚園)
高橋 由紀子(公立幼稚園)

学識経験者

会長 村野 成美
副会長 寺本 亮洞

市民

大西 順子
城道 文子
上條 容子

市職員

吉川 光彦(企画調整課長)
今井 良樹(社会教育課長)

このページに関するお問い合わせ

教育部 教育総務課
〒203-8555 東京都東久留米市本町3-3-1
電話:042-470-7775 ファクス:042-470-7811
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