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生物多様性とは

ページ番号 1022307 更新日  令和5年3月27日

生物多様性とは

 動物や植物、昆虫などの様々な生きものは、「個性」を持ち、それぞれの命が「つながり」を持っていることを言います。
 ここでは、「3つのレベルの多様性」、「生態系サービス」、「生物多様性の危機」について紹介し、東久留米市の特徴や例を挙げながら、皆さんに生物多様性とは何か。生物多様性と私たちの暮らしとの関連性。生物多様性を考えるうえでの課題を知ってもらい、私たち一人ひとりにできる取り組みは何かを考えていただくきっかけになれば幸いです。
 

3つのレベルの多様性

(1)生態系の多様性

 海洋、サンゴ礁、川、湖沼、湿原、干潟、森林、里地里山、草原など、その場所の気候や地形といった様々なタイプの生息・生育の場を言います。
 東久留米市は、湧水・清流の黒目川や落合川などの河川、市内全域に存する緑地保全地域などの雑木林など、水と緑に恵まれており、様々な生態系があります。

(2)種の多様性

 動植物から細菌などの微生物に至るまで、様々な生きものがいることを言います。地球上の生きものは約40億年の長い歴史の中で、さまざまな環境に適応して進化し、3,000万種ともいわれる多様な生きものが生まれました。
 東久留米市では、湧水や流れの緩やかな環境を好むホトケドジョウ、近年ではアユの遡上も見られます。また、幻の小麦と呼ばれる柳久保小麦の栽培も行われており、これらは東久留米市の種の多様性の特徴と言えます。

(3)遺伝子の多様性

 同じ種の生きものであっても、形や模様、生態など異なる遺伝子を持ち、様々な個性があることを言います。遺伝子の多様性があることで、環境の変化に適応した個体が残り、絶滅を避けることができます。
 東久留米市内を流れる河川では、飼育品種(観賞魚用に品種改良された)のメダカが確認されています。人為的に放流などがされると、交配が進み、遺伝子の多様性を失うことにもなります。

生態系サービス

 生態系サービスとは、様々な生物が関わり合う生態系から得られる恵みのことを言います。私たちの生活は、生物多様性からの恵みを得て成り立っており、生態系サービスは4つに分類されます。

(1)供給サービス

 飲料水や食料、木材や燃料、医薬品など、日々の生活に欠かせない必要な資源等を供給する機能を言います。
 東久留米市は、「くるめ産給食の日」として、東久留米で取れた食材を用いた給食の提供を行っています。

(2)調整サービス

 二酸化炭素の吸収、水質・土壌の改善、気温・湿度の調節など、生きものの生存基盤として必要な機能を言います。
 東久留米市では、地下水のかん養、緑地の保全に努めることで河川の氾濫、道路の冠水防止など、グリーンインフラとしての機能も備え、暮らしの安全を支えています。

(3)文化的サービス

 知恵や伝統、文化・芸術的なひらめき、精神的・心理的な安らぎなど、自然との共生によって得られる機能を言います。
 東久留米市には、江戸時代から伝わる郷土芸能として、五穀豊穣と悪疫退散を祈願して行われる「南沢獅子舞」や、落合川の遊歩道から直接水辺に降りて川遊びを楽しめる「いこいの水辺」があり、これらは文化的サービスに当てはまります。

(4)基盤サービス

 酸素の生成、土壌の形成、栄養循環、水循環など、自然の物質循環を基礎として生きものの生存基盤となり、(1)から(3)の生態系サービスを支える機能を言います。

生物多様性の危機

 日本の生物多様性は4つの危機にさらされています。

(1)開発や乱獲による種の減少、生息・生育地の減少

 人間が安全で快適な生活を営むために土地の開発や整備を行ってきた一方、自然環境や生きものに大きな影響を与えてきました。
 東久留米市においても、雑木林や農地が住宅地へ転用され、緑被率が減少しています。これにより、生きものの生息・生育の場も減少に繋がっている可能性があります。

(2)手入れ不足による自然の質の低下

 人間が自然に手を加え、適度に管理することによって生きものの生息・生育の場を提供してきました。しかし、ライフスタイルの変化や人口減少により、手入れが行き届かなくなり、生きものにとって住みよい環境が失われている可能性があります。
 東久留米市においても、農業を営む人の高齢化や後継者不足により、農地が手入れされなくなったり、減少により、生きものの生息・生育の場に影響を与えている可能性があります。

(3)外来種などの持ち込みによる生態系のかく乱

 本来生息していなかった地域に、外来種が入ってくると、在来種が食べられたり、生育・生息の場を奪われてしまったり、在来種との交配により、生態系のバランスが崩れることになります。また、特に影響が大きい生きものは「特定外来生物」に指定され、法律により輸入や飼育・栽培、生きた状態での移動などが原則として禁止されています。
 東久留米市でも、アライグマやアレチウリなどの特定外来生物が確認されており、生きものの生息・生育の場に影響を与えている可能性があります。

(4)温暖化など地球環境の変化による影響

 地球温暖化や気候変動の問題については世界的に見ても、平均気温の上昇や海水面の上昇、干ばつや寒波、台風の大型化などにより災害が激甚化するとともに、すべて の生態系に大きな影響を与え、農作物の生産量や漁獲量の減少など、供給サービスにも影響を及ぼします。
 地球温暖化以外にも、私たちが便利だと思って普段から使っているプラスチックが、細かくなって海に流れ出て、海底の泥に堆積したり、生きものが吸い込んで体内に蓄積されるマイクロプラスチックの問題もあります。
 東久留米市では、2023年3月に「ゼロカーボンシティ宣言」をし、取り組みの一環として、これまでの省エネに加え、エネルギーの地産地消への取り組みの推進などによる温暖化対策、ペットボトルの水平リサイクル「ボトルtoボトル」事業や食ロスを削減するフードドライブなど、環境負荷の低減に努めていきます。
 

わたしたちにできること

 生物多様性は、私たちの生活に密接に関わっています。小さなことから、身近なことからでも良いので、生物多様性を守るために何ができるのか考えてみませんか?

わたしたちができることの例

  • 地元ので採れた食材や旬の食材を食べる(生産や輸送エネルギーの削減を考えるきっかけになります)
  • 身近な動植物に触れたり、外来生物について調べる(家庭で植物を育てる、動物園・植物園に行くことで、生きものについて知ることができます)
  • ペットは最後まで責任を持って飼う。環境にやさしい商品を選択する(在来種を守ることや、地球温暖化の防止などに貢献できます)
  • イベントに参加する(環境フェスティバルや収穫体験、郷土芸能などに参加することで、生物多様性を守る活動に関わることができます)
  • 知ったこと、体験したことを伝える(自ら体験したことを人に伝えることで、生物多様性広めることができます)

このページに関するお問い合わせ

環境安全部 環境政策課 計画調整係
〒203-8555 東京都東久留米市本町3-3-1
電話:042-470-7753 ファクス:042-470-7809
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。



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