平成23年度施政方針

1 はじめに

平成23年第1回定例会の開会にあたりまして、市政に関する諸課題に対する私の所信の一端を申し述べさせていただきます。

昨年1月20日、東久留米市長に就任してから早くも1年余が経過いたしました。この間、諸般に渡り、市民の皆様、並びに市議会議員各位にはご鞭撻とご協力を賜りましたこと、心よりお礼申し上げます。

さて、平成23年度から10年間を計画期間とした、総合的なまちづくりの指針となる第4次長期総合計画がスタートいたします。まちの将来像として、本市の豊かな自然を守り育み、絆を再生し、にぎわいと活力をもたらすという思いから、「“自然 つながり 活力あるまち”東久留米」を掲げております。併行して、この基本構想に基づく施策の大綱を示し、諸施策を総合的に体系化した5年間の前期基本計画を策定いたしました。今後は、この計画の実効性を確保しながら、まちの将来像の実現に向けて取り組んでまいります。

また、日本経済は、長期に渡り低迷が続き景気回復の兆しも中々見えてまいりません。雇用、社会保障に対する不安感が募る中で、社会全体が閉塞感に苛まれております。

こうした中で、本市においては、少子高齢化が進行し、高齢者福祉、子育て支援や健康づくりへの対応など、行政課題が山積する状況にありますが、立ち止まることなく改革・改善に取り組み、市民生活を守り、安心を与えられる市政運営の実現を目指して、鋭意、取り組んでまいります。

2 市政運営の考え方

はじめに、私の市政運営に対する考え方、思いを申し述べます。

(基本姿勢「情報公開、市民参加、市民対話」)

私は、市長に就任して以来、「情報公開、市民参加、市民対話」を基本に据えて市政運営を進めていくとの考え方をお示しし、これまで取り組んでまいりました。これからも、市政に対する市民意見にしっかりと耳を傾け、市政に対する思い、暮らしの中で生じている課題や地域で起こっている課題などを、できる限り把握し、これらを十分に受け止めていく考えでおります。

その一つの機会として、昨年6月末から7月にかけて中学校区ごとにタウンミーティングを実施しましたが、市民の方々の市政に対する思いや、地域で発生している課題などを把握することができたことから、有意義であったと思っております。また、昨年10月に「市民委員による事業仕分け」を実施しましたが、第三者の視点から評価していただいたことで、市政運営の透明性はより高まったものと考えております。

今後も、こうした市民の方々からの意見等を大切に、多くの対話の機会が持てるように心がけてまいります。

(「新しい公共」へ)

一方で、人とのつながり、絆が薄れ、地域社会の崩壊が言われている中で、高齢者の孤独死、児童虐待、ワーキングプアなどの新たな社会問題が生じております。過去には、地域社会の中で吸収されていたものも沢山ありますが、地域の絆が薄れ、課題として表面化し、行政へとその解決が求められるとともに、新たな財政負担を生じさせる要因にもなっております。

時が過ぎ社会が成熟していく中で、行政需要を支えていくための財源を確保するためには、大幅に歳入を増加させるか、又は歳出を削減していく必要があり、中福祉・低負担からの転換を余議なくされております。

国においては、無駄の排除、予算の見直しなどにより財源確保に努めているものの、税収を超える国債を発行し財源不足を補っている状況にあります。また、長期的な視点からは、行政の民間化、市民化を進めるとした「新しい公共」の考えを打ち出しております。

「新しい公共」によって、「支え合いと活気ある」社会を実現し、その結果、社会コストを抑えながら幸せ度を高めていくことができるとして、新しい公共推進会議を内閣府に設置し、「新しい公共」を実現するための仕組みづくりに向けて検討等が進められております。

(市政運営「聞く、決める、説く」)

本市においては、厳しい財政状況にあるからこそ、市民の皆様とともに歩んでいく姿勢が重要と考えております。

景気低迷が続き、高齢社会の進行により社会保障関係の経費などが大幅に増加していく厳しい財政状況にあって、これまでの財政再配分の考え方を続けることは困難と考えております。

今の、「歳入減・歳出増」が継続していく構造を改めていくことが必要となっており、しっかりと受け止めて取り組んでまいります。

これを進めていくためには、専門家や市民の方々より様々な角度から意見等を求め、議論していただくことや、第三者の視点から評価していただくことが必要と思っております。こうして、自治の主体者である市民の方々の意向等に配慮しながら、すべての事務事業を見直した上で、真に必要とされる事業に絞り込み、財政負担を抑える仕組みへと組み替えてまいります。

また、価値観が多様化する中で、異なる意見もあります。このときには、第三者の視点も入りより公平さ、透明さをもった政策選択であり、公共の福祉、互いに支え合うという視点に立ち、市民意向等にも配慮した政策判断であることを、しっかりと丁寧に説明して理解を求めてまいります。

厳しい時代だからこそ、議論が大切です。

地方自治体の財政破綻が現実化し、その状況を見ると、負担が重く住民の方々に圧し掛かっております。そうならないためにも、市民の方々には自治の主体者として絶えず、東久留米市の将来について、公共の福祉、互いに支え合うという視点に立って考え、議論していただきたいと思っております。

一方で、地域主権改革が進む中、地方自治の役割、責任も大きく変わろうとしております。これを機に、原点に立ち返り、自主・自立した地方自治のあり方について、考えてみたいと思っております。

平成23年度は、基礎自治体への権限移譲、一括交付金制度の創設など、一定の進捗がある中で、本市としても、これまでの議論を踏まえ、市民活動を支え、地域の絆を再生するための新たな地域改革に向けて、(仮称)自治基本条例の制定などを検討してまいります。

いずれにしても、新たな地域改革を推進していくことは容易ではありません。既に、子育てや健康づくり、防災防犯などで、公共の一部を担う取り組みが見られます。これらの取り組みが「新しい公共」の第一歩となり、「市民的公共」の発展へとつなげていければと思っております。

(安心して暮らせるまち)

この「市民的公共」とは、私が理想とするまちづくり「歩いて暮らせるまち=コンパクトシティ東久留米」と連動した提起でもあります。

多くの高齢者は、年齢を重ねるとともに長い距離を歩くのが困難になってまいります。理想としては、医療施設、金融機関、また、商店街などが身近にあって、「歩いて暮らす」というコンパクトな生活圏を形成できていることが、大切であると思っております。

一方で、子どもが泣きやまないなどの子育てで悩んだときに、気軽に尋ねられ、また、玄関の電球が切れたときに、替えるのを手伝ってくれる近所付き合いができていたら、日常の不安や負担は相当に減ってまいります。

希薄になったと言われる地域の絆を再生させて、顔が見える地域の関係を築くことで、人に優しいまち、安心して暮らせるまちができていくものと考えております。

第4次長期総合計画のまちづくりの基本理念として、「みんなが主役のまちづくり」が掲げられ、市民同士、市民と地域、地域と地域とのつながりが、将来に向けて、持続可能な市の発展の土台となって、「みんなの力」でいいまちにしようとする思いが込められております。

このような、地域の絆を再生する仕組みとしては、子育てや防災などのテーマで区切らず、人が暮らし、支え合い、地域を支えていくという視点から、市民生活、日常生活を起点に地域社会の中で考えていくべきではないかと思っております。そして、この光景は、行政からの仕組みではなく、地域に暮らす方々の選択でいくらでも実現することが可能なことと思っております。

私は、こうした、市民の方々が安心して暮らせるまちづくりを、市民の皆様とともに進めていければと考えております。

(市民生活を守る市政運営)

こうした中で、平成23年度は厳しい財政状況にありますが、市民生活を守り、安心を与える市政運営を実現するために、十分とは言えないまでも、子どもを安心して生み育てられるための保育サービスの充実、市民の方々の健康維持のための予防接種の拡充や、まちのにぎわいを取り戻すための地域振興対策などに取り組んでまいります。

また、将来を見据えて、まちの活性化、新たな歳入確保の視点から、新たな企業等誘導にも取り組んでまいります。

国では、地域から人材や資金が流出していく構造から、できる限り地域で有効に活用される構造に転換させようとする緑の分権改革推進のための議論が進められており、大地から泉(ファウンテン)のように富が湧き上がる、このような、ファウンテン効果がある地域経済の構造へと政策転換の考え方が示されております。

本市にあっては、市内の購買力が低く、商業中心性指標を見ると約4割の方が市外で消費しております。この実態から、市内雇用を高め、生産性を向上させ、市内への流入人口を増やし、市内において、農商工の連携により経済が循環する仕組みを構築して、その波及効果の高まりに結びつけることが重要と考えております。

私は、市民生活を守り、安心して住み続けられるまちを実現するために、粒粒辛苦、山積する行政課題の解決に向けて一つひとつ取り組み、これを積み重ねることで、新たな展開への道筋をつけてまいりたいと考えております。

3 本市の現状と今後の取り組み

(1)国、東京都の動き

次に、国と東京都の動きについて申し述べます。

国においては、世界的な経済危機が叫ばれる中で、「成長、雇用を重視し、新成長戦略を着実に実施」、「『国民の生活第一』にマニフェストを着実に実施」、「財政規律の堅持」を掲げ、平成23年度政府予算案を発表しました。その内容は、一般会計総額を92兆4千億円程度とするもので、昨年度を1千億円上回ったものとなっております。また、高齢化に伴う社会保障費の1兆円増と子ども手当の3歳未満7千円増額分の約2,500億円に充てるため、公共事業費を削減し補うなどして、新規国債の発行額は約44兆3千億円とし、昨年度と同程度になっております。懸案となっている地域主権改革について、関連法案の提出は本年3月末頃になるとのことですが、地方一括交付金は、5千億円を衣替えした形で計上されております。

しかしながら、景気持ち直し傾向の中で税収を約40兆円台と見込んだものの、税収より多い国債を発行して収支の均衡を図っており、国と地方を合わせた借金残高は、23年度末には約892兆円にも達する見込みで国内総生産(GDP)の184%となります。

一方で、東京都においては、昨年12月に長期計画である「10年後の東京」の実現に向けた実行プログラムを発表し、雇用対策や子育て支援策など27の新規事業を含む総額で2兆円、374事業を実施する考えを示しました。その上に立ち、一般会計総額は6兆2,360億円にも及ぶ平成23年度東京都予算案を公表しましたが、内容としては、都税の伸びが小幅に留まる中で事業評価を通じて施策の検証や実績等に基づき徹底した歳出削減に取り組み、その結果、基金残高は9,635億円を確保したものとなっております。

東京都では、この予算案について「厳しい財政環境が続く中、都政の使命を確実に果たし、中長期的施策を支え得る財政基盤を堅持しながら、東京の活力と成長へと結びつける予算」としており、都債も将来負担を見据え、適切に活用した上で、公立小中学校の空調機整備に向けた市町村補助制度を導入し、未就職者支援、児童虐待対策や保育対策などの生活に密着した施策に重点を置いたものとなっております。

(2)本市における行政課題の取り組み

こうした国、東京都の動きを受けて、本市における平成23年度の行政課題の取り組みとして、まずは「改革の7つの道標」の進捗状況と、今後の取り組みについて申し述べます。

(改革の7つの道標)

昨年1月、市長に就任し、厳しい財政状況にある現実を踏まえ、この難局を乗り越えるためには、地道な改革の積み重ねが必要であり、これまでの財政規律を重視する姿勢を堅持しつつ、安定した歳入確保、税収増や歳出削減に向けた方策として「改革の7つの道標」をお示ししました。

まず、1点目の大規模団地の建替えにより生じる余剰地などへの新たな企業等誘導については、「新たな産業のあり方調査報告書」を踏まえ、庁内に「新たな企業等誘導連絡会」を設置し検討を重ねてまいりましたが、ここで「上の原地域における活性化方針(素案)」を取りまとめたところでございます。今後、これをベースに、地権者と調整し、地域の方々と意見交換を行いながら、着実に推進してまいります。

2点目、適正な受益者負担のあり方の視点から使用料、手数料の見直しについては、昨年9月に庁内検討委員会を設置し、使用料算出の根拠等についての現状確認を行いながら検討しております。平成23年度においては、公共施設使用料検討委員会を設置し、第三者の視点により、その内容等の検証をしていただく予定でございます。

保育料の見直しについては、国において、平成25年度からの移行に向けて「子ども・子育て新システム」の検討が進められており、幼保一体給付(仮称)が創設されるなどの新たな制度での財政負担と利用者負担の動きを踏まえて、保育サービスと負担のあり方について検討を進めてまいります。学童保育料についても、この時期に合わせて見直しを検討してまいります。

3点目の長期に渡り交付している補助金・負担金の再検証については、当初予算編成の中でも一部見直しに取り組んでおりますが、今後はさらに、市単独事業として20年、30年を経過しているような手当・助成等についても、時代、社会情勢の変化等に鑑み、改廃や所得制限の導入等を検討してまいります。

こうして、庁内で考え方を取りまとめた上で、行政評価制度を深化させる中で組み込まれる外部評価委員による検証等を踏まえ、公平・透明・公益性の視点から真に求められるものへと再検証してまいります。

4点目の保育園のあり方の検討については、少子化対策や保育園の待機児童解消が求められる中で、国において、平成25年度からの移行に向けて「子ども・子育て新システム」の検討が進められており、この動きも注視しながら、社会福祉審議会・子育て支援部会において「(仮称)今後の保育サービスのあり方」についてご議論いただき、その結果を踏まえ、方策を講じてまいります。

5点目の遊休財産の活用については、旧保健福祉センターの跡利用では公の施設としての利用計画もないことから、平成23年度に売却し、この売却益を、行政サービスを維持、提供していくための財源として活用しております。

また、旧大道幼稚園跡については、これまでの検討経過にも配慮しながら、平成23年度には課題を整理し、その方向性を示していく考えでおります。

6点目の特別会計へのいわゆる赤字補てんのあり方については、医療保険制度における医療費が著しく増加している状況等を、広く市民の皆様へ広報を通じて周知してまいりましたが、厳しい財政状況にある現実を踏まえ、国民健康保険税の税率や課税限度額等の改定を国民健康保険運営協議会に諮問し、答申をいただきました。この答申を尊重し、税率等を改定していく考えでおります。

また、下水道使用料については、新たに「下水道使用料等検討委員会」を本年2月25日に立ち上げました。平成22年度末に取りまとめを予定している「東久留米市公共下水道プラン」を踏まえ、独立会計として「公営企業健全化計画」に基づく下水道使用料金水準の適正化に向けてご協議をいただき、その結果を受けて、下水道事業会計の健全化へとつなげてまいります。

7点目の人件費の削減については、これまで「暫定給料表」、「地域手当」の見直しなどにも取り組んでまいりましたが、今後においても、東京都人事委員会勧告に準拠した給与改定等を考えております。

また、平成23年度からの第4期定員管理計画に沿って、民間活力の活用などによる退職者数に対する新規職員採用の抑制、削減、また組織運営の効率性向上や職員の意欲高揚等に資する職種任用替えの柔軟な運用などによって、人件費総体の削減等に取り組んでまいります。

(行財政改革の推進)

このように、将来的な財政運営を見通し、安定した歳入確保や歳出削減に向けた「改革の7つの道標」については、平成23年度も継続して取り組んでまいります。

また、改革・改善に向けた全庁的な推進については、平成23年度から5年間を対象期間とした「第4次行財政改革基本方針」を策定し、「市行政が担うべき役割の重点化」、「行政ニーズへの迅速かつ的確な対応を可能とする組織」、「自主・自立性の高い財政運営」の3点を基本方針として示すとともに、今後、取り組む具体的な事業を「行財政改革アクションプラン」に掲げております。

国では、平成23年度政府予算案を発表すると同時に、増加の一途を辿る社会保障費の財源確保のため、税制改革の考え方を併行して示しております。

こうした状況にあって、本市の財政状況が好転することは考え難く、市民生活を守り、安心を与える市政運営を実現するためには、改革・改善に取り組み、必要な財源を捻出していく必要があります。

「歳入減・歳出増」が継続する中で、財政負担を抑える仕組みに改めていく必要がありますが、市民意見等にも配慮しながら、すべての事務事業を見直した上で、真に必要とされる事業に絞り込んでまいります。

昨年、実施しました「事業仕分け」については、仕分け委員からの指摘事項を踏まえ、各所管の見解を取りまとめ、昨年11月よりホームページで公表しております。

平成23年度においては、これまでの行政評価制度を深化させて、歳入に見合った歳出構造へと転換を図っていくために、全庁評価会議で事務事業の方向性を確認した上で、義務的経費(国水準、都水準)を高位に、横出し・上乗せを含む市単独事業を低位に置く手法を基本として、本年6月頃には事務事業の優先順位付けを行ってまいります。そして、この評価結果に基づき、7月から8月にかけて、選択と集中の視点から政策・施策全般に渡って事務事業の方向性と事務事業相互間の優先性について、専門家と市民の方々による外部評価委員から検証、提言を求め、平成24年度当初予算編成へと反映できるように取り組んでまいります。

極めて厳しい財政状況から、ここで取るべき行動の選択肢は広くありません。改革・改善を、是が非でも成し遂げるといった強い決意をもって取り組んでまいります。

4 平成23年度当初予算

(1)予算編成とその概要

次に、平成23年度当初予算編成の概要等について申し述べます。

当初予算編成にあたりましては、国、東京都の状況を踏まえ、特定財源の確保に努めるとともに、改革の7つの道標、そして行政評価における評価結果に基づく施策の方向性と優先施策、事業の着実な反映を予算要求における方針としてお示ししました。景気低迷、社会構造の変化等により、歳入の根幹をなす個人市民税が減少傾向にある中で、苦心に苦心を重ね、市民生活を守り、安心を与える市政運営を実現するための予算を編成いたしました。

平成23年度当初予算については、一般会計総額は384億900万円で、対前年度比15億4,400万円、4.2%の増となっており、国民健康保険、後期高齢者医療、介護保険、下水道事業の4特別会計を合わせた総額では、624億5,639万7千円で、対前年度比32億4,338万2千円、5.5%の増となっております。

主な増加要因としては、生活保護費や障害福祉サービス費など社会保障関係の経費の増加と、国や東京都の補助・交付金などを活用して、健康・福祉、子育て支援、教育環境整備などの事業を計上したことなどが挙げられます。

なお、一般会計における収支バランスを維持するための措置として、財政調整基金から対前年度比2億1,788万4千円増となる7億3,970万6千円の繰り入れを見込み、さらには、旧保健福祉センター跡の売り払い収入として4億870万円を見込んでおります。

(2)行政課題に対応した主な事業等

続いて、当初予算に計上された主な事業等について、平成23年度からスタートする第4次長期総合計画に掲げられた基本目標に沿って申し述べます。

なお、全庁評価会議において、優先施策としては、「待機児童解消対策の推進、子ども・子育て新システムへの対応」、「地域産業推進協議会の推進」及び「市道の改修、都市計画道路(既着手)の整備」を選定しております。

【にぎわいと活力あふれるまち】

はじめに、「にぎわいと活力あふれるまち」についてでございます。

昨年、地域の魅力を最大限引き出すための企画開発や新たな産業の創出に向けて「地域産業推進協議会」を設置し、その中で、「農業推進事業部」「商工業推進事業部」「観光推進事業部」の3つの事業部を置き、事業推進に努めております。

平成23年度は、ふるさと雇用再生特別基金事業を活用し、市民だれもが地元の商店街で気軽に消費活動を行える持続的、発展的な地域社会の実現に向けた商店街モデル事業を企画し、実施いたします。また、多くの関係機関・団体や市民とともに「開運東久留米七福神めぐり実行委員会」を組織し取り組んでおりますが、次年度へ向け、新たな観光資源を発掘した事業展開を模索してまいります。

商業の活性化対策としては、付加価値付き商品券の発行・販売を内容とする商業活性化対策事業を実施してまいります。

また、平成23年度から5年間を計画期間とする「東久留米市農業振興計画」の策定を進めており、東久留米市における農業振興や農地保全などの方向性を示してまいりますが、これを踏まえ、平成23年度は、これまでの環境保全型農業推進事業を拡大し、体験型農園の新規開園を目指す取り組みなど農業振興施策の充実に努めてまいります。

【住みやすさを感じるまち】

続いて、「住みやすさを感じるまち」についてでございます。

首都圏直下型地震の発生が予測される中、市民の生命と財産を保護するため、平成21年度に策定した「東久留米市耐震改修促進計画」に沿って、国からの財政支援を受けながら、木造住宅耐震診断助成事業を実施してまいります。併せて、公共施設への耐震対策の取り組みとしては、中央図書館、浅間町地区センターの耐震診断を実施してまいります。

消防力の強化を図るため、常備消防事務を東京消防庁へ委託し一年が経過いたします。東京消防庁では、効果的・効率的な部隊配置を考慮していただくなど、市民に安心感を与えるように取り組んでいただいております。本市においては、地域防災力を整備するため、消防団第七分団詰所の移転整備に係る設計を実施するとともに、第三分団に配備する消防ポンプ車を購入いたします。

災害時における要援護者の支援については、現在、計画策定検討委員会において全体計画の取りまとめについて検討されており、追って個別計画の策定に着手してまいります。

都市計画道路東3・4・19号線、東3・4・5号線については、新みちづくり・まちづくりパートナー事業として、東京都と連携し事業費の大半を財政負担していただき、引き続き、整備を進めてまいります。東3・4・19号線は、平成22年度末時点で用地取得率が98.9%となっており、早期完成を目指して進めてまいります。東3・4・5号線については、本年3月末に道路区域を決定し、平成23年度から用地買収を進めてまいります。東久留米駅東口から新座市に至る東3・4・20号線は、28年度の完成に向けて国や東京都の財政支援を受けて用地買収を進めてまいります。

今後も、都市計画道路の事業推進にあたっては、国の交付金や東京都からの補助金を活用し、市の負担軽減を図るとともに、後年度負担のあり方や事業費の配分などにも配慮し、進めてまいります。

市道の改修整備についても、継続して取り組んでまいりますが、これまで休止しておりました私道の整備助成事業について実施してまいります。

一方、市民生活、経済活動を支える道路や橋梁などの社会資本の整備改修が遅れていると指摘がされる中で、国からの財政支援を受けながら「橋梁長寿命化修繕計画」の策定に取り組んでいくとともに、道路の維持、管理業務に関しては、職員体制を見直し、平成23年度から業務委託を開始してまいります。

竹林公園の土地購入については、平成22年度にみどりの基金を活用した用地購入の予算措置をしたところでありますが、平成23年度において、改めて予算措置して行うことといたしました。

コミュニティバスなどの地域公共交通の充実に向けては、他団体における様々な手法・取り組みを調査・検討することに加え、多摩北部都市広域行政圏において策定された、平成23年度からの5年間を計画期間とする「多摩六都広域連携プラン」(後期計画)を受けて、市域を越えた共同運行の検討等が始まりますので、この動きも注視してまいります。

また、南沢五丁目の大型商業施設への対応についてですが、現在、南沢五丁目地区地区計画の都市計画決定に向けた手続きを進めております。同地区内の商業施設建設計画に伴う地域貢献については、地域貢献施設機能の導入の具体化に向けて庁内で検討を進めるとともに、事業者との協議を進めてまいります。交通対策や生活環境への影響の低減など安全・安心のまちづくりの対応などについても、周辺住民の方々等からのご意見をいただきながら、関係機関、事業者との協議を進めてまいります。

【健康で幸せに過ごせるまち】

続いて、「健康で幸せに過ごせるまち」についてでございます。

健康への関心の高まりから、市民要望が高い子宮頸がん予防ワクチンをはじめとした予防接種事業については、細菌性髄膜炎(ヒブ)ワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンを加え、国からの臨時特例交付金を活用し、自己負担割合を3割とした上で早期の実施を目指して取り組んでまいります。

健康づくりの一つである自殺予防対策の取り組みについては、ストレス社会においては心の健康を損ないやすい環境にあり、様々な要因から心の悩み抱えることにより死へと追い込まれてしまう場合があります。心の健康づくりをすすめ、自殺を予防するために、平成23年度より東京都からの財政支援を受けながら、身近な支援者養成と普及啓発事業に取り組んでまいります。

また、平成24年度から3カ年を対象とした介護保険事業計画の策定に向けて取り組んでまいりますが、懸案となっている介護老人施設の整備については、平成26年度までに誘導していく場合、本計画に含めることになることから関係部署等による検討、協議を重ねております。

平成24年度から3カ年を対象とした障害福祉計画については、利用者アンケート調査等を実施しながら策定してまいります。

高齢者への見守りの充実に向けては、高齢者の所在確認、その他の生活支援等を目的として、民生委員・児童委員へ必要かつ最小限の個人情報を提供すべく、昨年12月、個人情報保護審査会に諮問し、慎重な議論を重ねていただいております。

今後、答申を踏まえて、民生委員・児童委員の活動の支えとなるよう取り組んでまいります。

【子どもの未来と文化を育むまち】

続いて、「子どもの未来と文化を育むまち」についてでございます。

まず、待機児童解消対策として、私立保育園の施設整備補助を行うことで、定員36名を90名へと受け入れ拡大するとともに、認定子ども園については、定員60名を90名へと定員拡大に努めてまいります。また、子育て支援施策の充実が求められる中で、病児・病後児保育事業への補助も実施してまいります。

南町都営アパートの建替えに伴うみなみ保育園の移転については、平成26年度に民設民営の新設開園に向けて法人選定のための検討を進めてまいります。

保育のあり方の検討について、社会福祉審議会・子育て支援部会で「(仮称)今後の保育サービスのあり方」についてご議論いただく中で、国において、平成25年度からの移行に向けて検討が進められている「子ども・子育て新システム」への対応を図ってまいります。

また、子どもと家庭を支援する地域の中核機関である子ども家庭支援センターについては、平成23年4月に従来型機能を見直し、東京都小平児童相談所との密接な協力関係を築き、先駆型へと移行し、相談機能、児童虐待対応のさらなる体制強化を図ってまいります。

一方で、昨年夏の猛暑を受けて、子どもたちの教育環境の整備への要望が高まっております。市立小中学校への空調機の設置については、特に多摩地域が区部に比較して整備が遅れている状況を踏まえ、東京都では財政支援の制度が設けられました。こうした支援策に加え、教育振興基金を活用し、平成23年度に小学校を6校、中学校は全校を対象に設置工事を進めてまいります。残る7校の小学校については、平成24年度に実施してまいります。

市立小中学校への耐震補強工事については、市立第十小学校、小山小学校、東中学校、南中学校、大門中学校の各体育館を対象に引き続き進めていく予定であり、24年度に予定する工事実施をもって終了となります。

市立本村小学校と西中学校の校庭の雨水対策についても、排水施設整備を進めていく予定であり、市立小山小学校においては、東京都からの財政支援を受けて、地球温暖化対策の一環として校庭の芝生化を進めてまいります。既に、平成20年度に校庭の芝生化を実施している市立第六小学校においては、児童、保護者からも高い評価をいただいております。

これまで公共下水道へ未接続となっていたプール排水の対応についても、落合川最上流部にある市立第一小学校について、接続工事を実施してまいります。

平成23年度末をもって閉校となる市立第四小学校については、受け入れ校である第六小学校と神宝小学校を加え、三校による連絡会を設置し、子どもたちのスムーズな移行に向けて課題等の整理、調整を図りながら、閉校に向けて準備を進めております。受け入れ校の施設整備としては、市立神宝小学校でトイレ改修工事を実施してまいります。

本市における教育施策を総合的、体系的に展開し、教育目標の達成を目指す「教育振興基本計画」については、教育委員会において、平成23年度末の策定に向けて取り組んでおります。

特別支援学級の施設整備については、教育委員会において策定されました「東久留米市特別支援教育の環境整備計画」に則り、市立南町小学校に固定学級を、市立第六小学校に通級指導学級を設置してまいります。

小学校給食の調理業務委託については、これまでの教育委員会の計画に沿って進めてまいります。

また、第68回国民体育大会スポーツ祭東京2013についてですが、開催を2年後に控え、実行委員会を設置し、委員皆様のお力添えをいただきながら、着々と準備を進めてまいります。

【地球環境にやさしいまち】

続いて、「地球環境にやさしいまち」についてでございます。

昨年12月、秋篠宮殿下にご臨席を賜り「湧水保全フォーラム全国大会inひがしくるめ」を開催しましたが、本市における自然環境の保全への市民意識は大変高いものがあります。湧水を通じて、広く環境保全に関する議論の高まりを感じている中で、継続して検討等が重ねられてきた「(仮称)湧水・清流保全都市宣言」の発表についても、環境審議会からの答申が予定されております。答申内容を尊重した上で、宣言については、環境に関するイベント開催に合わせて行いたいと思っております。

そうした中、「緑の基本計画」については、平成23年度から2年間かけて改定を、「環境基本計画」については、中間見直しを進めてまいりますが、共に平成23年度は市民意向(アンケート)調査及び環境データ収集等を実施し、現状把握に努めてまいります。

また、ごみ収集業務については、塵芥・資源物収集業務の委託拡大を進めてまいります。併せて、必要により職員の任用替えも予定しており、現在、関係団体との調整等を行っております。

一般廃棄物処理基本計画については、5年ごとの見直し時期を迎え、その策定にあたってまいります。

柳窪の樹林地については、将来に渡り貴重な樹林として買収を進めておりますが、平成23年度も引き続き、みどりの基金を活用して用地買収に努めてまいります。黒目川上流部(Aゾーン)の親水化事業については、良好な水辺環境の向上と豊かな自然を生かした憩いの場として整備に着手してまいります。

懸案となっている家庭ごみ有料化の取り組みについてですが、ごみの減量は処分場への負荷軽減、環境への負荷低減などの社会的な要請から、重要かつ喫緊の課題と捉え、負担の公平性、市民意識の向上などの観点からも、実施に向けて検討してまいります。

【計画を推進していくために】

最後に、基本目標を実現していくために、すべての基本目標、全施策に共通し、横断的な施策を、「計画を推進していくために」の中で位置付けております。

まずは、男女共同参画社会の実現に向けた「第2次男女平等推進プラン」については、本年3月末に取りまとめを予定しており、今後は、市の現状に即した取り組みの方向性を定めるとともに、目標を掲げ、その実現に向けて取り組んでまいります。

また、配偶者からの暴力が深刻化する中で、「第2次配偶者暴力対策基本計画」についても、本年3月末の取りまとめを予定しており、本市における配偶者暴力対策の施策を体系的に示し、関係機関がさらに連携して総合的に配偶者暴力の防止及び被害者支援対策を強化してまいります。

まちの活性化に向けて取り組んでいる上の原地域における企業等誘導については、都市計画マスタープランの中間見直しが進められる中で、今後、地区計画の変更も必要となることから、整合性を図りながら活性化方針を取りまとめるとともに、民間コンサルタントを活用して地権者、事業者との調整を図り、また、地域の方々と意見交換しながら、今後も、着実に進めてまいります。

タウンミーティングについては、市民の方々との意見交換の機会として捉え、平成23年度も引き続き実施してまいります。

外国人住民を住民基本台帳法の適用対象として加える制度改正等を契機として取り組んでいる住民情報系システムの再構築については、平成22年度に引き続き、システム自体の見直しを行い、合わせて運用経費の削減を図るものとして、平成24年1月の稼働を目指してまいります。

このように、市民生活を守り、安心を与える市政運営を実現するために、各施策に横串となる施策を市民意向等にも配慮しながら進めてまいりますが、社会全体が複雑化する中で、複合的な視点をもった対応が求められております。併せて、市政運営に携わる市職員の資質向上に向けた改革にも取り組んでまいります。

5 おわりに

日本全体を取り巻く状況は、景気低迷、少子高齢化、さらにはグローバル化が進み、国際競争力の低下なども囁かれる中で、若者の雇用不安や地域力の衰退、そして、高齢者医療をはじめとする医療制度改革や、次世代を担う子どもたちの健全育成を支えるための環境整備などの様々な社会問題が生じております。この苦境を乗り越えていくためには、政治、経済に解決を頼るだけではなく、もっと活発な国民的な議論が求められていると考えております。

私は、この成熟した社会で、年々、膨れ上がる社会保障費を支える財源の確保をどうするのか、どのようにして子どもを安心して生み育てられるのかなど、これら山積する難しい行政課題に対し、多くの方々と議論を交わし、そして、市民の皆様とともに課題解決に向けて歩んでいければと思っております。

近ごろ、ハーバード大のマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」が話題を呼んでおります。サンデル教授は、難題に対して逃げることなく、どう対処すべきかを考えること、それを議論することの大切さを我々に投げかけ、気づかせてくれております。

二元代表制の下、市民意向等にも配慮しながら、様々な角度から議論を重ね、取りまとめた政策提案は、直接選挙で選ばれた市民の代表である議員により構成される市議会の中で、さらに政策議論が尽くされていくものと考えております。こうして、全市的な視点からも整理が図られ、民意に沿った市政運営が実現されていくものと思っております。

例え、それぞれの立場から意見等の違いがあっても、議論をより深めていくことで、さらに確かなものとなり、市民のために一定の方向を導きだすことができるものと考えております。その際に、議員各位からのご意見、ご指摘については、これを真摯に受け止めて市議会との信頼関係を築いてまいりたいと考えております。

今後も、市民の皆様、市議会議員各位のご理解、ご協力を賜りながら、市民生活を守り、安心を与える市政運営が実現できるように努力してまいりますので、一層のご支援等をお願いしまして施政方針の結びとさせていただきます。

平成23年3月1日

東久留米市長 馬場一彦

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